歯科医院を探す患者の約80%が口コミを参考にしています。しかし口コミサイトは数多く存在し、どの媒体に注力すべきか迷う院長も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、すべての口コミサイトに均等に力を入れる必要はありません。自院の診療圏や患者層に合った媒体を2〜3つ選び、重点的に運用するのが効果的です。本記事では、歯科医院に関連する主要8つの口コミサイトを一覧で比較します。各媒体の特徴・費用・集患効果を把握し、最適な口コミ媒体の選び方を解説します。
歯科の口コミサイト比較が重要な3つの理由

口コミ媒体ごとに患者層が異なる
口コミサイトの比較が重要な最大の理由は、媒体によって利用する患者層が異なる点です。各サイトには独自のユーザー層が存在します。
たとえばEPARK歯科は予約機能を備えており、30〜40代の忙しい会社員に多く利用されています。一方でデンターネットは歯科専門の口コミサイトとして、治療内容を詳しく知りたい患者が活用しています。Googleマップの口コミは年齢層を問わず幅広い層が参照します。自院のターゲット患者がどの媒体を使っているかを見極めることが大切です。
費用対効果が媒体によって大きく違う
口コミサイトへの掲載には無料のものと有料のものがあります。費用対効果は媒体によって大きく異なります。
Googleビジネスプロフィールは完全無料で運用できます。EPARK歯科は有料プランで月額数万円の費用が発生します。caloo(カルー)は基本掲載が無料ですが、上位表示には有料オプションが必要です。限られた予算を最大限に活かすためにも、各媒体の費用構造を正確に理解しましょう。
医療広告ガイドラインへの対応状況が異なる
口コミサイトを選ぶ際には、医療広告ガイドラインへの対応も確認すべきです。厚生労働省のガイドラインでは、医療機関の広告表現に厳しい規制があります。
口コミサイト自体は患者の自発的な投稿であり、直接的な広告規制の対象外です。しかし医院側が口コミ内容を操作したり、体験談を広告利用したりする行為は規制対象になります。各サイトのガイドライン対応方針を確認し、コンプライアンスリスクの低い媒体を選ぶことが重要です。
主要口コミサイト8媒体の特徴を一覧で比較

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
Googleビジネスプロフィールは、歯科医院にとって最も影響力の大きい口コミ媒体です。利用者数・検索連動性ともに他の媒体を圧倒しています。
月間利用者数は国内で約8,000万人以上です。「歯医者 近く」などのローカル検索と直結しており、口コミが検索順位に影響します。掲載費用は完全無料で、口コミへの返信機能も備わっています。星評価は5段階で表示され、口コミ件数と平均評価がマップ上に直接表示されます。すべての歯科医院がまず最優先で取り組むべき媒体です。デメリットとしては、匿名投稿が可能なため不当な口コミが付くリスクがある点です。
EPARK歯科の特徴と費用
EPARK歯科は、ネット予約機能と口コミを組み合わせた歯科専門ポータルサイトです。月間約700万人が利用しており、集患力の高い媒体として知られています。
最大の特徴は、口コミ閲覧からそのまま予約へつながる導線設計です。患者が口コミを読んで「ここに行きたい」と思った瞬間に予約できます。掲載料は有料で、地域やプランによって月額1万〜5万円程度です。成果報酬型のプランを用意している場合もあります。実際に来院した患者のみが口コミを投稿できる仕組みで、信頼性の高い口コミが集まりやすい特徴があります。
デンターネットの特徴と活用法
デンターネットは日本最大級の歯科専門口コミサイトです。2000年代初頭から運営されており、長い歴史を持つ媒体です。
掲載は基本無料で、患者が自由に口コミを投稿できます。地域別のランキング機能があり、口コミ数が多い医院ほど上位に表示される仕組みです。月間利用者数は約100万人で、歯科に特化しているため来院意欲の高いユーザーが多い傾向があります。ただしサイトのデザインはやや古く、若年層の利用率は低めです。40代以上の患者層をターゲットにしている医院には有効な媒体と言えます。
中規模口コミサイト5媒体の特徴と比較

caloo(カルー)と病院なびの特徴
calooは医科・歯科を問わない総合医療口コミサイトです。月間約400万人が利用しており、複数の診療科を横断して医院を探せます。
基本掲載は無料ですが、写真掲載や上位表示には有料オプションが必要です。口コミの質が高く、治療内容や費用について詳しく書かれた投稿が多い特徴があります。病院なびは医療機関の検索に特化したサイトで、月間約600万人が利用しています。口コミ機能はcalooほど充実していませんが、診療科目や対応可能な治療での検索性に優れています。基本掲載は無料です。
ドクターズ・ファイルとデンタルネットの特徴
ドクターズ・ファイルは医院と医師を紹介する取材型メディアです。口コミサイトとは性質が異なりますが、医院選びの参考にする患者が多い媒体です。
プロのライターによる取材記事が掲載されるため、情報の質が非常に高いのが特徴です。掲載は取材ベースのため有料で、費用は取材内容によって異なります。医院の強みや院長の人柄を深く伝えられる点がメリットです。デンタルネット(デンターネットとは別サイト)は歯科医院の情報検索サイトで、基本情報の掲載が中心です。口コミ機能は限定的ですが、SEO効果による間接的な集患が期待できます。
ウィメンズパークと地域特化型サイトの活用
ウィメンズパークはベネッセが運営する女性向けコミュニティサイトです。歯科専門ではありませんが、小児歯科やマタニティ歯科の口コミが活発に投稿されています。
会員数は約700万人で、30〜40代の母親層が中心です。「子どもが怖がらなかった」「キッズスペースがある」といった口コミが多く投稿されます。小児歯科に力を入れている医院にとって有力な媒体です。また地域特化型の口コミサイトも見逃せません。エキテンは地域密着型の口コミサイトで、月間約1,000万人が利用しています。基本掲載は無料で、地域名での検索に強みがあります。
口コミサイトの選び方|自院に合った媒体を見極める

診療圏とターゲット患者層から媒体を選ぶ
口コミサイトを選ぶ際は、自院の診療圏とターゲット患者層を基準に判断しましょう。すべての媒体に手を広げる必要はありません。
まずGoogleビジネスプロフィールは全医院が必須で取り組むべきです。その上で2つ目の媒体を選ぶ際の判断基準を示します。都市部で20〜40代がターゲットならEPARK歯科が有効です。住宅街で子育て世帯が多い地域ならウィメンズパークを検討しましょう。自費診療に力を入れている医院はcalooやドクターズ・ファイルが適しています。中高年層が多い地域ではデンターネットも候補になります。
費用・工数・集患効果のバランスで判断する
口コミ媒体の選定では、費用だけでなく運用工数と集患効果のバランスも考慮すべきです。有料媒体が必ずしも効果的とは限りません。
Googleビジネスプロフィールは無料かつ集患効果が最も高い媒体です。月に1〜2時間の運用で十分な成果が期待できます。EPARK歯科は月額費用がかかりますが、予約機能による直接的な集患が見込めます。デンターネットは無料ですが、口コミの獲得に時間がかかる傾向があります。費用対効果を3か月ごとに検証し、成果の出ない媒体は見直す姿勢が大切です。各媒体の新規来院数を計測する仕組みを作りましょう。
各口コミサイトの登録・運用手順

Googleビジネスプロフィールの登録と最適化手順
Googleビジネスプロフィールの登録は、すべての歯科医院が最初に行うべき作業です。登録から最適化までの手順を具体的に解説します。
まずGoogleビジネスプロフィールの管理画面にアクセスします。院名・住所・電話番号・診療時間を正確に入力してください。次にオーナー確認を行います。はがきまたは電話で確認コードを受け取り、管理画面に入力します。確認完了後は写真を20枚以上登録しましょう。院内の清潔感が伝わる写真、外観写真、スタッフ写真が効果的です。診療科目や対応可能な治療も詳しく記載します。週1回以上の投稿更新も検索表示回数を約25%向上させます。
EPARK歯科とデンターネットの登録手順
EPARK歯科への掲載は、公式サイトから申し込みを行います。担当者との面談を経て、掲載プランを決定する流れです。
EPARK歯科は掲載開始まで約2〜4週間かかります。医院情報の入力、写真撮影、プラン選定が主な準備作業です。予約システムとの連携設定も必要になります。自院の予約管理方法に合ったプランを選びましょう。デンターネットへの掲載は無料で、医院側からの登録申請は不要です。患者が口コミを投稿すると自動的に医院ページが作成されます。ただし医院情報の正確性を確認し、誤りがあれば修正依頼を出すことをおすすめします。
口コミサイト運用で避けるべき3つの失敗

口コミの自作自演と不正投稿のリスク
口コミサイトの運用で最も避けるべきは、自作自演の口コミ投稿です。発覚した場合のリスクは非常に大きく、取り返しがつきません。
Googleは不正な口コミを検出するアルゴリズムを常に改善しています。スタッフや関係者による口コミ投稿は、IPアドレスや端末情報から検出される可能性があります。発覚した場合、該当の口コミ削除だけでなくアカウント停止のリスクもあります。さらに医療広告ガイドラインでは、虚偽の体験談は明確なガイドライン違反となります。口コミは必ず実際の患者から自発的に投稿してもらう方法で獲得してください。
有料掲載の費用対効果を検証しない失敗
有料の口コミサイトに掲載したまま、効果を検証しないケースが多く見られます。毎月の掲載費用が無駄になっている可能性があります。
有料媒体を利用する場合は、必ず効果測定の仕組みを導入しましょう。初診アンケートに「当院を知ったきっかけ」の選択肢を設けることが基本です。各媒体からの月間新規来院数を集計し、1人あたりの獲得コストを算出します。一般的に歯科医院の新患獲得コストは1人あたり3,000〜10,000円が目安です。この範囲を大きく超える媒体は、掲載の継続を見直すべきでしょう。
複数媒体の情報不一致による信頼低下
複数の口コミサイトに掲載する際、医院情報の不一致が起きやすいため注意が必要です。情報の不一致は患者の信頼低下につながります。
院名の表記揺れ、住所の番地表記、電話番号、診療時間の相違は意外と多く発生します。たとえばGoogleでは「〇〇歯科クリニック」、EPARKでは「〇〇歯科」と登録されていると、患者は別の医院と誤認する可能性があります。NAP情報(Name・Address・Phone)はすべての媒体で完全に統一してください。情報変更があった場合は、全媒体を同時に更新する運用ルールを設けましょう。
口コミサイト比較一覧表|費用・特徴・おすすめ度

8媒体の比較一覧表
主要8媒体の情報を一覧表で整理します。自院に合った媒体選定の参考にしてください。
Googleビジネスプロフィールは費用無料、利用者数8,000万人以上、おすすめ度は最高です。EPARK歯科は月額1万〜5万円、利用者数約700万人、予約直結が強みです。デンターネットは費用無料、利用者数約100万人、歯科専門の信頼性が特徴です。calooは基本無料(有料オプションあり)、利用者数約400万人、詳細な口コミが強みです。病院なびは基本無料、利用者数約600万人、検索性が高い媒体です。ドクターズ・ファイルは有料(取材制)、取材記事の質の高さが特徴です。エキテンは基本無料、利用者数約1,000万人、地域密着型です。ウィメンズパークは無料、会員数約700万人、子育て層に強い媒体です。
開業年数・診療方針別のおすすめ組み合わせ
医院の状況に応じた口コミ媒体の最適な組み合わせを紹介します。限られたリソースで最大の効果を狙いましょう。
開業1〜3年の新規医院は、Googleビジネスプロフィールとエキテンの2媒体から始めるのがおすすめです。まず地域での認知度を高めることが優先です。開業3年以上で集患を強化したい医院は、GoogleビジネスプロフィールにEPARK歯科を追加しましょう。自費診療を強化したい医院は、Googleビジネスプロフィールとcalooの組み合わせが効果的です。小児歯科に注力する医院はウィメンズパークも活用してください。どの場合もGoogleビジネスプロフィールは必ず含めることが鉄則です。
よくある質問
以下では、歯科の口コミサイト比較に関するよくある質問にお答えします。
よくある質問(FAQ)
Q. 口コミサイトは何個くらい登録すべきですか?
A. Googleビジネスプロフィールを必須とし、それに加えて1〜2媒体に注力するのが効果的です。多くの媒体に手を広げると運用が追いつかず、情報更新が滞る原因になります。まずはGoogleビジネスプロフィールを最優先で運用し、余力があれば自院の患者層に合った媒体を1つ追加する方針がおすすめです。
Q. EPARK歯科の有料掲載は費用に見合う効果がありますか?
A. 地域や競合状況によって効果は異なります。都市部で競合が多い場合、EPARK歯科の予約機能が差別化につながり、月5〜15人の新患獲得が期待できます。ただし効果測定は必須です。初診アンケートで来院経路を確認し、3か月間の費用対効果を検証してから継続判断しましょう。1人あたりの獲得コストが1万円を超える場合は見直しを検討してください。
Q. デンターネットの口コミは信頼できますか?
A. デンターネットは2000年代から運営されている歴史ある歯科専門サイトで、一定の信頼性があります。ただし投稿者の本人確認は行われていないため、すべての口コミが実際の患者によるものとは限りません。自院の掲載情報に誤りがないかを定期的に確認し、口コミ内容は参考情報として活用するのが適切です。
Q. 口コミサイトに掲載する際に医療広告ガイドラインで注意すべき点は何ですか?
A. 医院側が口コミ内容を操作することはガイドライン違反です。具体的には、口コミの自作自演、高評価の依頼、体験談の広告利用が禁止されています。口コミサイトへの掲載情報では、誇大表現や比較優良広告に該当する記載を避けてください。「地域No.1」や「絶対に治る」といった表現は使えません。患者の自発的な投稿を促す中立的な案内にとどめましょう。
Q. 無料の口コミサイトだけで集患効果は得られますか?
A. はい、無料媒体だけでも十分な集患効果を得られます。特にGoogleビジネスプロフィールは無料でありながら最も集患力の高い媒体です。口コミ10件以上で来院率が約1.5倍になるデータもあります。まずはGoogleビジネスプロフィールの最適化と口コミ獲得に集中し、成果を確認してから有料媒体の導入を検討するのが堅実な進め方です。

