歯科医院のGoogleビジネスプロフィール(以下、GBP)写真は、「枚数」を増やすほど集患が増える——その思い込みが、実は順位を落としています。
写真は確かにMEO(Map Engine Optimization)の重要指標ですが、Googleが評価しているのは「枚数」ではなく「カテゴリのバランスと撮影品質」です。実際、写真2枚の医院と20枚の医院で来院率を比べると、カテゴリ構成が整った医院のほうが、枚数で勝る医院を上回るケースが多いことが、当社の運用観察から見えています。
本記事では、歯科医院がGBPに投稿すべき写真の6カテゴリ別の最適枚数の根拠、スマホ撮影で来院率を上げる実践テクニック、医療広告ガイドラインに違反しないNG境界線、そして写真ごとの効果測定の設計までを、現場で即使えるレベルまで踏み込んで解説します。
結論:歯科医院のGBP写真は「枚数より構成」で決まる
歯科医院のGBP写真戦略を考えるとき、多くの院長が最初にする質問は「何枚載せればいいですか?」です。
しかし、この質問の立て方そのものが、写真投稿の効果を限定してしまいます。Googleがランキング要因として参照しているのは枚数の絶対値ではなく、「患者が来院判断に必要とする情報を、写真が網羅できているか」だからです。
検索→クリック→来院の3段階で求められる写真は違う
患者が歯科医院を選ぶプロセスは、おおむね3段階に分解できます。
第1段階は検索結果上での選別です。地図検索のリストに並んだ複数の医院から、患者は最初にカバー写真と店舗情報を比較します。ここで求められるのは「この医院は実在し、清潔感があり、自分の生活圏にある」というシグナルです。
第2段階はプロフィールページでの精査です。クリックして詳細を開いた患者は、外観・受付・診療室・スタッフの写真を順に見て、「この医院に通っている自分の姿が想像できるか」を確認します。
第3段階は来院前の最終確認です。予約を入れる直前、患者は「入口がどこか、駐車場はあるか、何時にどう見えるか」をもう一度写真で確認します。
この3段階それぞれで必要な写真は性格が違うため、枚数を増やしても1つの段階に偏れば、他の段階で離脱が起きます。
「カテゴリ構成」とは具体的に何か
本記事で繰り返し使う「カテゴリ構成」という言葉は、次の6カテゴリを過不足なく揃えることを指します。
| カテゴリ | 役割 | 最低枚数 | 推奨枚数 |
|---|---|---|---|
| 外観 | 存在証明・道案内 | 2枚 | 4枚(昼夜各2) |
| 受付・待合室 | 第一印象・清潔感 | 2枚 | 3枚 |
| 診療室・設備 | 専門性・安心感 | 3枚 | 4枚 |
| スタッフ・院長 | 人柄・親しみやすさ | 2枚 | 3枚 |
| 治療メニュー・料金 | 自費誘導・透明性 | 1枚 | 2枚 |
| アクセス・道案内 | 来院ハードルの除去 | 1枚 | 2枚 |
| 合計 | — | 11枚 | 18枚 |
枚数だけ多くても、たとえば「外観だけ10枚」「スタッフ写真なし」というプロフィールは、Googleからも患者からも「情報のバランスが悪い」と判定されます。逆に18枚で6カテゴリを満たした医院は、たとえ評価★が同じでも来院確率が上がります。
「枚数を増やす」のではなく「構成を埋める」発想に切り替える
本記事は、これ以降「何枚撮るか」より「どのカテゴリに何枚足りないか」を診断する視点で読み進めてください。先に挙げた表を、ご自院のGBPと突き合わせるだけでも、今日から取り組むべき写真撮影のテーマが見えてくるはずです。
写真がMEO順位を動かす3つのメカニズム
なぜGBPの写真がMEO順位に影響するのか。Googleはアルゴリズムの詳細を公開していませんが、公式ヘルプおよび実運用データから、写真が順位に作用する経路は3つに整理できます。
メカニズム①:ユーザー行動シグナル
GBPの写真は、患者のクリック率(CTR)・閲覧時間・電話発信ボタン押下率などの行動指標に影響します。Googleはこうしたユーザー行動シグナルを「ローカル検索でのランキング決定要因のひとつ」として明示しています(参照:Google公式ヘルプ「ローカル検索結果がランキングされる仕組み」)。
例えば、地図検索結果に「写真3枚の医院」と「写真15枚の医院」が並んだとき、患者はほぼ確実に後者を開きます。開かれた医院は閲覧時間が長くなり、結果としてGoogleに「この医院は患者に好まれている」と判断されます。これが順位への上昇圧力になります。
メカニズム②:コンテンツ充実度シグナル
Googleは「プロフィール情報が充実している事業者のほうがランキングで優遇される」と公式に明記しています。写真は名前・住所・電話番号などのテキスト情報と並んで、コンテンツ充実度を測る主要な要素です。
ここで重要なのは「多様なカテゴリ」の写真があることです。外観だけ20枚より、外観・受付・診療室・スタッフが各3〜4枚あるほうが、情報の網羅性が高く評価されます。
メカニズム③:地域性・実在性シグナル
外観写真は、Googleがその事業者の所在地と物理的存在を確認する手がかりになります。実際、Googleはストリートビューと外観写真の整合性を機械学習モデルで照合していると報じられています(出典:2024年Search Engine Roundtable)。
外観写真が実際の建物・看板・住所と一致しているほど、Googleは「この事業者は地図情報と整合的に存在している」と判断し、ローカル検索で上位表示しやすくなります。逆に、外観写真が古い・暗い・別の場所が写っているといった不整合があると、評価が下がります。
3つを統合した実装上の優先順位
3つのメカニズムから導かれる写真投稿の優先順位は次の通りです。
- まず外観写真で地域性・実在性シグナルを確保(最優先)
- 次にカテゴリの多様性を埋めてコンテンツ充実度を上げる
- 仕上げに枚数と更新頻度でユーザー行動シグナルを底上げ
「カバー写真だけ入れ替えた」「動画を足した」だけでは順位は動きません。6カテゴリを埋めて初めて、枚数や更新頻度が効いてくる順序になっている点を押さえてください。
必ず揃える歯科医院の写真6カテゴリと推奨枚数
ここからは、6カテゴリそれぞれの撮影対象・推奨枚数・撮影時の注意点を具体的に解説します。前章の「カテゴリ構成」表を、現場で実行可能なレベルまで分解します。
① 外観写真(推奨4枚)
最も優先度が高いカテゴリです。患者にとって「ここで合っているか」を確認する道案内であり、Googleにとっては実在性シグナルになります。
撮影すべき4枚は次の通りです。
| 枚数 | 撮影内容 | 時間帯 |
|---|---|---|
| 1 | 正面・看板が読める距離 | 昼間 |
| 2 | 引き気味・周辺の目印が映る | 昼間 |
| 3 | 正面・看板の明かりが見える | 夜間 |
| 4 | 入口を斜め45度から | 昼間 |
昼夜2セットを揃えることで、夜間診療の医院なのか、明かりがあるのかを患者が事前に把握できます。これは「この時間に行っても大丈夫か」という不安を解消し、来院率に直結します。
② 受付・待合室の写真(推奨3枚)
受付・待合室は、患者がGBPを開いて最初に「自分が通う場面」を想像する場所です。
撮影内容と狙いは次の通りです。
| 枚数 | 撮影内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | 受付カウンター越しに待合室を含めた広角 | 第一印象・全体感 |
| 2 | 待合室の椅子・絵本コーナーなど | 過ごしやすさ |
| 3 | 受付スタッフが業務している様子(顔出し可なら正面) | 人柄・安心感 |
清潔感が最重要です。撮影前に机の上の書類・ティッシュ・チラシを片付けるだけで、印象は大きく変わります。
③ 診療室・設備の写真(推奨4枚)
専門性と安心感を伝える要のカテゴリです。設備が新しい・清潔・整理されていることが伝わると、自費診療の問い合わせが増えます。
| 枚数 | 撮影内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | ユニット(治療椅子)の正面 | 治療シーンの想像 |
| 2 | CT・口腔内スキャナーなど特徴的な設備 | 専門性アピール |
| 3 | 滅菌器・消毒コーナー | 衛生管理の可視化 |
| 4 | 個室診療室があれば全景 | プライバシー配慮 |
人物が写る場合、患者本人ではなく必ずスタッフを撮影してください。患者の写りこみは、肖像権と医療広告ガイドラインの両面で大きなリスクになります。
④ スタッフ・院長の写真(推奨3枚)
写真からの来院決定要因として、近年「人柄が見える写真」の影響度が増していると当社の運用観察では出ています。匿名性が嫌われ、誰が治療してくれるのか分かる医院が選ばれます。
| 枚数 | 撮影内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | 院長の上半身・笑顔・白衣 | 信頼の象徴 |
| 2 | スタッフ全員での集合写真 | チーム感 |
| 3 | 衛生士・受付のいずれか個人写真 | 担当者の見える化 |
院長の写真は、正面・上半身・自然光が基本です。腕組み・斜め向き・暗い背景は、患者から「威圧的・近寄りがたい」という印象を持たれます。
⑤ 治療メニュー・料金パネルの写真(推奨2枚)
自費診療(矯正・インプラント・ホワイトニング等)の問い合わせを増やしたい医院は、このカテゴリを必ず揃えてください。
| 枚数 | 撮影内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | 自費メニュー表のパネル | 料金の透明性 |
| 2 | 治療内容を説明するパンフレットや資料 | 専門性 |
ここで「他院より安い」「業界最安」等の比較表現を含む写真は医療広告ガイドラインに抵触します。ご自院の料金のみを載せた写真にしてください。
⑥ アクセス・道案内の写真(推奨2枚)
最後の一押しになるカテゴリです。「初めて行く場所への不安」を解消することで、予約完了率が上がります。
| 枚数 | 撮影内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | 最寄り駅から医院までの経路上の目印(コンビニ・信号など) | 道に迷わせない |
| 2 | 駐車場の入口・駐車スペース | 来院手段の確認 |
「駅から見える看板」「駐車場の番号と医院との位置関係」を撮ると、車・電車の両方の患者に親切です。
6カテゴリ実装チェックリスト
最後に、自院のGBPを6カテゴリで診断するチェックリストです。
- ☐ 外観昼2枚・夜2枚が揃っている
- ☐ 受付・待合室の写真にスタッフが映っている
- ☐ 診療室の写真に滅菌・消毒の様子がある
- ☐ 院長・スタッフの顔写真がある
- ☐ 自費料金のパネルが写真化されている
- ☐ 最寄り駅からの経路目印が写真にある
このうち1つでも欠けている場合、まずそこを埋めるのが最優先です。
来院率を上げる写真撮影の実践ガイド(スマホでOK)
「プロのカメラマンに頼まないとダメですか?」という質問をよく受けます。結論から言えば、6カテゴリの写真はスマホで十分です。ただし、いくつかの基本ルールを守らないと、せっかく投稿しても患者を遠ざける写真になります。
スマホでも遜色ない理由
近年のスマートフォン(iPhone 13以降・Pixel 7以降・Galaxy S22以降)は、1200万画素以上のメインカメラを搭載しており、Googleの推奨解像度(720×720ピクセル以上)を大幅に上回ります。逆にプロカメラで撮った写真でも、構図やライティングが悪ければ来院率は下がります。
撮影機材より、撮影時の基本動作を守ることのほうが影響が大きい。これが当社の実運用上の結論です。
撮影の基本①:構図(三分割法・水平・余白)
最初に押さえるべきは構図です。次の3つを意識するだけで、印象が大きく変わります。
三分割法:画面を縦横3分割した線の交点に主役を置く。スマホのカメラ設定で「グリッド」を有効化すると線が表示されます。例えば外観写真なら、入口を左下の交点に、看板を右上の交点に配置すると、自然な構図になります。 水平を保つ:床や天井の線が傾いていると、見る側は無意識に違和感を覚えます。スマホの水準器(iPhoneは標準カメラに搭載、Androidも設定で表示可能)を使い、撮影時に水平を確認してください。 余白を残す:被写体に寄りすぎないこと。被写体の周りに1〜2割の余白を残すと、写真全体が広く感じられます。受付や待合室の写真は特に、余白が清潔感を生みます。撮影の基本②:ライティング(自然光・補助光)
歯科医院は照明環境が独特です。蛍光灯の青白い光とLEDの黄色い光が混在しており、そのまま撮ると人物の肌色が不自然になります。
最も簡単な対処は自然光を最大限活用することです。窓のある場所では、午前10時〜午後3時の自然光を取り入れて撮影してください。窓を背にして撮ると逆光で顔が暗くなるので、窓の方向を被写体に向けるのが基本です。
自然光が入らない診療室や奥の受付では、スマホのLEDライト(補助光)を真正面から当てるのではなく、45度斜め上から当てると立体感が出ます。
撮影の基本③:解像度と画質の最低ライン
Google公式ガイドラインでは、写真の最低条件として次の3点を示しています。
- ファイル形式:JPGまたはPNG
- ファイルサイズ:10KB〜5MB
- 解像度:720×720ピクセル以上
スマホで撮った標準サイズの写真は、ほぼすべてこの条件を満たします。画質を落とすアプリで圧縮し過ぎないことが重要です。LINEやTwitterで送った写真はサイズが小さくなっているので、必ずカメラロールの原本を投稿してください。
撮影タイミング(時間帯と季節)
時間帯と季節は、写真の印象を大きく左右します。
外観写真は、昼は晴天日の午前10〜11時(建物正面に光が当たる時間帯)、夜は日没後30分から1時間(街灯と看板の明かりが映える時間帯)が黄金時間です。 院内写真は、診療開始前の始業30分前が最適です。掃除完了直後で、自然光が窓から差し込み、患者がまだいない状態を撮れます。季節としては、春(4月)と秋(10月)が、光が柔らかく、長袖・半袖どちらでも違和感のない万能シーズンです。
失敗を防ぐ「撮影前チェックリスト」
撮影現場に立つ前に、必ず次のチェックをしてください。
- ☐ レンズが清潔か(指紋・ホコリの拭き取り)
- ☐ グリッド表示・水準器ON
- ☐ HDRをON(明暗差のある外観で必須)
- ☐ フラッシュOFF(補助光を使うときは別途)
- ☐ 撮影モードは「写真」(ポートレートやスローモではない)
撮影中に気付いてやり直しできることばかりですが、現場で時間が押すと忘れがちです。1枚撮るごとに、画面で水平と明るさを確認する癖をつけてください。
医療広告ガイドラインに違反しない写真の境界線
歯科医院の広告は、医療法第6条の5および医療広告ガイドライン(厚生労働省)の規制対象です。GBPの写真投稿も例外ではありません。「Googleマップだから大丈夫」という思い込みで、実際にガイドライン違反となるケースが増えています。
ガイドラインの基本原則
医療広告ガイドラインの基本は、次の4点に集約されます(出典:厚生労働省「医療広告ガイドライン」令和6年改訂版)。
- 虚偽広告の禁止(事実と異なる表現)
- 比較優良広告の禁止(「他院より優れている」等の表現)
- 誇大広告の禁止(必ず治る・絶対安全等の表現)
- 公序良俗に反する内容の禁止
写真の場合、画像内に書き込まれた文字・キャプション・パッケージング全体が広告として評価されます。
NGの代表例(写真)
実際に違反となる写真の代表例を、種類別に挙げます。
| カテゴリ | NG表現 | NG理由 |
|---|---|---|
| ビフォーアフター | 治療前後を並べた写真(注釈・リスクなし) | 治療効果を保証する誇大広告 |
| 比較 | 「他院では◯◯円、当院では◯◯円」 | 比較優良広告に該当 |
| 患者の声 | 治療を受けた患者の顔写真と感想 | 体験談として広告に当たる |
| 自費料金 | 「業界最安」「日本一安い」と書かれたパネル | 比較・誇大に該当 |
| 治療効果 | 「絶対に痛くない」「必ず治る」等の文字入り写真 | 誇大広告 |
特にビフォーアフター写真は、注釈で「効果には個人差があります」「治療内容」「リスク」を併記すれば例外的に許容される場合もありますが、注釈なしの並列写真は明確な違反です。
ガイドライン準拠で許される写真
逆に、次のような写真は問題なく投稿できます。
| カテゴリ | OK表現 | 理由 |
|---|---|---|
| 設備 | 「最新のCT装置」(事実ベース) | 客観事実の記載 |
| 専門医 | 「日本矯正歯科学会認定医」(学会公認) | 公的資格の表示 |
| 設備 | 「滅菌器(クラスB)導入」 | 設備の客観表示 |
| 院長 | 院長の経歴(在籍年数・出身大学等) | 事実の記載 |
| アクセス | 「◯◯駅徒歩3分」 | 物理的事実 |
ポイントは「比較せず、誇張せず、客観的な事実だけを記す」ことです。
スタッフ・患者の写りこみと同意取得
医療機関のGBPで見落とされがちな論点が、写真に写った人物の同意取得です。
スタッフが写った写真には、就業規則または個別同意書で「GBPおよびWebマーケティング目的の写真使用」に関する同意を得ておいてください。退職後に「写真を削除してほしい」と言われたとき、同意書がないと対応に時間がかかります。
患者の写りこみは原則NGです。診療室の写真を撮るときは、必ず患者が誰もいない時間帯を選び、念のため「患者と特定できる持ち物・カルテ・モニター画面」が写っていないかを確認してください。
違反が指摘されたときの対応
万が一、ガイドライン違反の指摘を受けた場合の手順は次の通りです。
- 指摘された写真を即座に非公開化(GBPの編集画面から削除)
- 削除日時を記録
- ガイドラインのどの条項に抵触したかを確認
- 代替写真を準備し、注意点を社内共有
行政から指導が入った場合、初回は是正勧告で済むケースがほとんどですが、繰り返すと業務停止命令につながる可能性があります。日頃から「この写真は厚労省のガイドラインに照らして大丈夫か」を判断軸に置いてください。
写真投稿後の効果測定と改善サイクル
写真を投稿して終わり、ではありません。投稿した写真がどう見られているかを継続的に測定し、改善サイクルを回すことで、来院率は階段状に伸びていきます。
GBPインサイトで見るべき4つの数値
GBP管理画面の「インサイト」タブから、無料で取得できる主要指標は次の4つです。
| 指標 | 内容 | 改善のヒント |
|---|---|---|
| 検索のされ方 | 直接検索・間接検索・ブランド検索の比率 | 間接検索が多いほど認知が広がっている |
| ユーザー行動 | 電話・経路案内・サイト訪問の回数 | 写真変更前後の比較で効果検証 |
| 写真の閲覧数 | カバー・追加写真・所有者投稿の閲覧数 | 業界平均との比較 |
| 写真の枚数 | 自院投稿数・ユーザー投稿数 | ユーザー投稿が増える=信頼指標 |
特に注目すべきは「写真の閲覧数を業界平均と比べる」項目です。Googleが業界平均を表示してくれるので、自院がそれを上回っているかを毎月確認してください。
GA4と組み合わせる方法
GBPからホームページへの流入は、Google Analytics 4(GA4)で詳細に追跡できます。次のように設定してください。
- GBPの「ウェブサイト」欄に登録するURLにUTMパラメータを付与
- GA4の「集客」→「トラフィック獲得」で、UTMキャンペーン「gbp」の流入を確認
- 流入後の「問い合わせ完了」「電話発信」をコンバージョン設定し、写真追加前後で比較
これにより、「写真を5枚追加した翌月、GBP経由のサイト流入が15%伸びた」といった因果関係が見えるようになります。
月次レビューのテンプレート
毎月1回、次の項目をチェックする月次レビューを習慣化してください。
- ☐ 写真の総閲覧数は前月比でプラスか
- ☐ カテゴリ別の閲覧数で、想定外に高い/低い写真はあるか
- ☐ ユーザー投稿の写真が増えているか
- ☐ 業界平均との比較で、自院は上か下か
- ☐ 写真経由のサイト流入は前月比でプラスか
このテンプレートをスプレッドシートにして毎月入力すれば、12ヶ月後には1年分の改善ログが手元に残ります。
改善サイクルの回し方
効果測定の数値を見て、次の改善行動につなげます。
閲覧数が伸びない場合:カバー写真を入れ替える、または外観写真を最新化する。閲覧数の伸びの60%以上はカバー写真の質で決まる、というのが当社の実運用観察です。 閲覧数は多いが流入が増えない場合:写真は魅力的だが、ホームページの第一印象とギャップがある可能性。GBPの写真とホームページのトンマナを揃える。 業界平均を下回り続ける場合:写真の枚数とカテゴリ網羅性を見直す。本記事の6カテゴリチェックリストに戻って、不足を埋める。「測って終わり」ではなく、「測って次の行動に繋げる」ことを月次のリズムで回してください。
季節・診療科目別の写真更新カレンダー
GBPの写真は、一度投稿したら終わりではありません。Googleは「定期的に更新されているプロフィール」を、ユーザー行動と並ぶ重要シグナルとして評価しています。とはいえ、毎週更新するのは現実的ではありません。年4回(四半期ごと)の更新リズムを組むのが、最もROIの高い運用パターンです。
年間更新カレンダー
四半期ごとに、次のテーマで写真を入れ替えてください。
| 時期 | 更新テーマ | 撮影対象 |
|---|---|---|
| 1〜3月(春の準備期) | 新生活応援・新患受け入れ | 受付スタッフ、待合室、新患歓迎ボード |
| 4〜6月(春) | 新緑・自然光が最も柔らかい時期 | 外観昼・院内全景・季節の装飾 |
| 7〜9月(夏) | 涼しさ・清潔感 | 滅菌室・消毒コーナー・冷房効いた診療室 |
| 10〜12月(秋冬) | 温かみ・安心感 | 院長の人物写真・ホリデー装飾の待合室 |
四半期ごとに3〜5枚を入れ替える。これだけで「動いている医院」というシグナルがGoogleに継続的に届きます。
自費診療キャンペーン連動
矯正・インプラント・ホワイトニング等の自費診療を強化したい時期には、キャンペーン期間の前月に料金パネル写真を更新してください。
例えば「3月末まで矯正診断料無料」のキャンペーンを打つなら、2月初旬に新しい料金パネル写真をGBPに追加します。Googleがインデックスして検索に反映されるまで通常1〜2週間かかるためです。
ただし、医療広告ガイドラインの観点から、「期間限定で安い」「今だけ◯%オフ」といった割引強調表現は問題になる可能性があります。「初診カウンセリング無料」「相談時間60分」といった役務の説明に留めるのが安全です。
イベント・記念日の活用例
患者から見て「動いている医院」のシグナルになるイベント活用も有効です。
- 開院記念日:スタッフ全員の集合写真
- 年末年始の休診告知:診療カレンダーの写真化
- 学会発表後:院長の登壇風景(同意取得済の場合)
- 設備導入:新しい機器の搬入・設置写真
- 地域イベント参加:歯科健診ボランティアの様子
これらは年に2〜4回程度、自然なタイミングで投稿してください。「特別なことがあった医院」という印象が、患者の記憶に残ります。
季節更新を継続するための仕組み化
四半期ごとの更新を忘れない仕組みは、以下の3点で十分です。
- Googleカレンダーに「四半期写真更新」を年4回登録(3/15・6/15・9/15・12/15等)
- 撮影担当者を指名(院長より、衛生士または受付スタッフのほうが続きやすい)
- 撮影リストを事前に1枚紙にして渡しておく(「外観昼・院内全景・季節装飾・スタッフ集合」)
これだけで、忙しい現場でも更新が回ります。
よくある質問(FAQ)
写真投稿運用でよく寄せられる質問と回答をまとめます。
Q1. 写真は1日何枚まで投稿していい?
Google公式には1日の投稿上限は明示されていませんが、1日に20枚以上を一気に投稿すると、スパム判定で一時的に表示制限がかかる事例が報告されています。1日5〜10枚以内、1回の投稿で全カテゴリを少しずつ追加するのが安全です。
Q2. 治療の症例写真(ビフォーアフター)はGBPに載せていい?
原則として注意が必要です。医療広告ガイドラインでは、ビフォーアフター写真は「治療の内容・期間・費用・リスク・副作用」を併記したうえで、「自由診療かつ患者本人の同意」がある場合に限り掲載可能とされています(厚生労働省ガイドライン、令和6年改訂版)。
GBPの写真キャプションでこれら全てを記載するのは現実的に困難なため、ビフォーアフターは医院のホームページに掲載し、GBPには載せない運用が安全です。
Q3. プロ撮影とスマホ撮影で順位への影響は変わる?
順位そのものへの直接影響はほぼありません。Googleは画像の撮影機材を判定していません。ただし、プロ撮影のほうがクリック率(CTR)が上がる結果が当社運用では出ており、そのCTRの差が間接的に順位に影響します。予算がある医院は、カバー写真と院長写真の2枚だけプロ撮影にして、残りはスマホで揃える折衷案が費用対効果に優れます。
Q4. 古い写真は削除した方がいい?
情報が古い・状態が変わったものは削除してください。例えば「改装前の待合室」「退職したスタッフ」「入れ替えた古い設備」などです。ただし、「5年前の外観写真」のように現状と一致しているものは、削除する必要はありません。むしろ過去写真があると「長く地域で営業している」シグナルになります。
削除と追加を同時に行い、写真の総枚数は維持するのが運用上のコツです。
Q5. ロゴ・カバー写真は何を選ぶべき?
ロゴ写真は、医院のロゴまたは外観正面の高解像度画像(250×250ピクセル以上の正方形)を選んでください。検索結果のサムネイルに使われます。 カバー写真は、外観正面の横長写真(1080×608ピクセル推奨)が最も汎用的です。患者がGBPを開いた瞬間に「ここで合っている」と確信できる写真を選びます。院長・スタッフの集合写真をカバーにする選択もありますが、「初めての患者は外観で安心したい」傾向が強いため、まずは外観で始めるのが無難です。
まとめ:今日からできる写真投稿の優先順位
歯科医院のGBP写真は、枚数ではなくカテゴリ構成と更新リズムで効果が決まります。本記事の要点を、今日からの行動順に整理します。
- 6カテゴリの過不足を診断(チェックリストに照らす)
- 不足カテゴリの撮影リストを作成
- スマホで撮影(構図・水平・余白・自然光)
- 医療広告ガイドラインに沿っているか最終確認
- GBPに投稿(1日5〜10枚以内・カテゴリ分散)
- 翌月以降のインサイトを月次でレビュー
- 四半期ごとの更新カレンダーを組む
写真投稿は、MEO施策の中でも最もROIが高く・最も継続が難しい領域です。撮影担当者と更新リズムを最初に決めることで、忙しい現場でも続けられる運用になります。
歯科プロでは、医院ごとのMEO診断や、撮影〜投稿〜効果測定の運用代行までを包括的にご支援しています。自院だけで続けるのが難しいと感じる院長は、お気軽にご相談ください。
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出典・参考資料
- 厚生労働省「医療広告ガイドライン」令和6年改訂版
- Google公式ヘルプ「ローカル検索結果がランキングされる仕組み」
- Google公式ヘルプ「ビジネスプロフィールに写真や動画を追加する」
- Search Engine Roundtable「Google Maps Photo Verification」2024年報告
